みなわ
よ
あんまり上手ではないね
すぐに 散らかしてしまうもの ね
タプン
跳ねる音を合図にして
東京のすみっこ
ふたつ
重ねた
ひらひらと尾をふって
水泡を吐いて
重ねて
しまったから
もう どこにもいけなかった
ときどき
コーヒーのにがいのを飲んで
三階の窓からねこの公園を見下ろして
笑って
吐いて
そして ねむった
風がこわい夜は窓をしめた
いつか
窓はあかなくなった
風は止んだ
まぼろしのような春も いった
ぐるりとまわる三百六十五のすがらに
また水泡を吐くときがくる
もう 散らかさないで
だんだんに吐く よ
もう
めをつむるとふくらむ
眼球のぽこんとしたところが
どこまでも走っていける
地図みたいな青い筋が
とても とても
好きでした