花豚
よつやとうじ

運命線が雨
さよならする
道はみどり
くグもる街は
ガラスの塔に映る
奥二重の妊婦

婦人科の空に
末路なびかせる
現象として
なりを潜めて

わたし
人の群れに
混じる
喜びの破裂
かなしい抱惑
だから

どうか
ツィリリリリも
許さないで
白い腸に
響くからと

重力を盗んだ
わたし
青い肌の
わたし
ひとより濃密な
蓄音の果実




自由詩 花豚 Copyright よつやとうじ 2004-04-22 17:30:43
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