幸福は青いガラス瓶の中
ジム・プリマス

幸福は青いガラス瓶の中
無理に蓋をこじ開けようとしても
ダメだし
開かないからといって
投げてしまったら
壊れてしまって
二度とは元通りにならない
幸福の詰まったガラス瓶は
やわらかい土の中に
半分以上埋まっていて
つめ草の明かりで
ぼんやりと
青く鈍く光る
だから夜の間に
その青い光を
探すんだ
遠くからじゃ
にじんでしまって分からない
その光を探して
三月の夜の草原を
僕はさまよう
だって一度は
手にしてみたいもの
幸福は青いガラス瓶の中
その瓶を振ると
誰も聴くことの出来ない
銀の旋律が聞こえるんだ
だから
風に震える
銀の旋律を
聴きわけるんだ
遠すぎてもダメだし
近すぎてもダメだから
銀の旋律をもとめて
三月の夜の草原を
僕はさまよう
だって一度は
聴いてみたいもの



自由詩 幸福は青いガラス瓶の中 Copyright ジム・プリマス 2007-03-16 15:37:29
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