潜水艦
ソティロ

潜水艦

虹色の海を渡る
魚たちを見ていたら
いつまでも
ここに居られる

気がしていた
だけどそこは
ぼくのいない
世界でした

ライラライラライライラ
流れ星も揺れる珊瑚の森で
ライラライライライライラ
懐かしい自分にさよならをした

潜水艦沈んでゆく
海の底深く深くへ
光など届かない場所へ
ぼくを
連れていっておくれ


灯台の下の家で
ひとり暮らす老人が
呟いた言葉どおり
太陽の
光なしでは
時間さえも
感じないな

ライラライライラララ
たくさんの種類の黒を越えて
ライラライライライライラ
不思議な音のする
暗闇へ向かう

潜水艦沈んでゆく
水平線の遠く遠くへ
音さえも
ありえない場所で
ぼくは
ひとりうたっています

潜水艦沈んでゆく
運命線の向こう側でも
ひとりきり
うたっているひとが
ぼくを
待っていてくれました

ラララ…


自由詩 潜水艦 Copyright ソティロ 2007-03-16 03:31:43
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