春は明日の約束
たりぽん(大理 奔)

今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと

    交わされることのない言葉
    くちぐせのような夢よりも

果たされた途端に 約束は
別なものへと 忘れられ
熱のない約束は嘘や夢に似て
ただ、ながれていく

どうせ消えてしまうなら
あなたに時間を捧げて
歯ぎしりのように
胸を苦しませて
六十ワット白熱電球ぐらいの
光を放ちながら

    果たされることのない、永遠

あなたへの時間だけはながし続けて
私だけが世界の終わりを知らなくても


明日の約束

このあいだみつけた
庭のある小さな紅茶専門店で
シフォンケーキとアールグレイ
窓の外には春の花

春の花





自由詩 春は明日の約束 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-03-13 23:27:45
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