スキップしよう
soft_machine


スキップしよう
手をつないで弾もう
しかたなんて忘れたなんて嘘
スキップしよう
みどり深く

スキップしよう
ひとりでだって弾もう
あお空うつした水たまり飛ぼう
スキップしよう
心かろく

見られてたっていいじゃない
ちょっとはずかしくったって
きょうと、あしたと、そのおもいでが

スキップすれば
歩くがどれだけ歩いても
走るがどれほど走っても
こんな拍子で空には浮かべない

異国のようなスキップで
ひかり群れる雲のなか
さんぼんあしの猫
小鳥のほねをくわえて
壁から壁ときょくわざし
異形のようなスキップは
たにしがわくらば引きずって
暗いあかりを発してる
たがめはめだか抱きしめる
鋳型のようなスキップの
はだしのこどもは
運動場で円をえがく
遺憾に溢れたスキップに
貴方がおじさんとよばれようとも
髪の薄さも気にせず
もんしろ蝶になる
軽快ななみだのスキップ
いつかのわすれものに
もうすこしの笑顔で
手がとどく貴女
決別を
覚悟したスキップ
ふたりに
いずれ訪れる
どちらかの死も
時の紐をめぐらした
巡礼の旅だといって

ひとり、スキップする
わらうモップ片手に
鉛のような日常がゆびさす
たいくつを邪魔する

ふたり、スキップする
ある晴れた日に
それが弾避けにならないことぐらい
知ってのうえで

ぼくらはスキップする
だれの命令か分らないけれど
音楽のように弾みたいから

しかた忘れたなんて嘘

スキップしよう
たとえそこが
嵐の海であっても

スキップしよう






自由詩 スキップしよう Copyright soft_machine 2007-03-12 19:36:38
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