/病院玄関
プテラノドン
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた
折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた
ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めすかしながら 脈拍もならえ!
自動ドアを振り返らせたのは
警備員だった
男は門のない門番だった
真新しい緑のマットには
車椅子と、ストレッチャーの
タイヤのしめった跡が残っていた
それより多くの靴跡が
玄関があった
―いろんな朝がある、と
男は耳元でいった
かくも無防備に
おれは
自由詩
/病院玄関
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プテラノドン
2007-03-10 00:41:03
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