【悪魔の証明】あくまのしょうめい
「ない」ことを証明するというだけのとても簡単で難しいこと

空白く（あれ）僕がいるはずだった夏のブラジルゆきのひこうき


ビートルズゴールドメンバー君の名を呼べば呼ぶほど遠くなる空


きみという名前じゃなくてもきみはきみ帰りのバイクの上のたましい


落っこちてきた氷柱から花が生えこうして冬は死んでいくのだ


二宮の「宮」のパネルを持ちながら横目で友の沸点を知る


楽譜にはｐがずらりと並べられ心臓を止めようと努力した


常識も真理も道理も嘘であるあたしの前ではみな同じこと


真夏にしかいないあなたと雪祭り見たかったんだ　ごめんごめんごめん


嫌いだって言いそびれたね　「好きじゃない」が必ず「嫌い」にならない世界で


思い出すことは人のすべ　植物が昔の自分を思うわけない


去り際に後ろ手取った君、僕に悪魔の証明してくれますか