流れ
深散

僕にとってはそれが全て
君にとってはほんのおこぼれ
そんな価値観の差異はもう気にしないから
だから僕にそれを与えてくれ

愛情なんか欠片もいらない
ただ音を
そう鼓動を
それだけでいい

今は立ち上がれない
どうやっても立ち上がれずに無様に転がる
油にまみれた硝煙臭い銃が俺を見る
その空虚で何も愛さない眼で
でも僕が通い合うのはその穴のような口
早く僕に最後をくれ

殺してほしいなんて甘えはもう許されない
生まれて全てのギロチンから逃げ出した僕には
もう残った選択はたいしてない

身を起こせない
そのためにはなんだって棄てるのに
引き上げるには重過ぎる

いつ死ぬかわからない人生で
生きてていいと保障してくれる存在に出逢えたことを
一体誰に感謝すれば?

さあ
こうしてまた夕暮れが近づく
如月が終わる
弥生が包む
花が咲き
木々が

ごめんね
助けを呼ぶ機能を切除した
それを望んだから

そしてまた僕はひとりで
ひとりを望んで

佇む


自由詩 流れ Copyright 深散 2007-03-08 13:01:57
notebook Home 戻る 未来