週末温度
船田 仰

温度で出来ていない音を探すとき
ぼくは安心している
膝を抱えて座り込んだライブハウスのしたのほうにだって
そんなものはない
ベイビーいいから安心してみなよ
多分それは週末みたいに、はじまったりおわったりできるから

天井を走っている沢山の管に
いくつかのけむりがからむような瞬間
おとが
容赦なくひるんだふりの夕暮れ
カーディガンの閉じ具合に屈託した顔をする
目が合う相手をつかまえてみたりするけど
それは腕を伸ばすということではないので
はじまりもおわりもない
ぼくらは
今日、を、いつか、に似せることに長けすぎてる
だから安心しなよ
鴨川からマックポテトのにおいがして、塩素のにおいはしない
それは、いつか、とかいうやつだから

温度でできていない日々をさがす
ぼくは安心している
きみがふと歩き出すのを思い出すときに
土曜とか日曜の夜に
ただすこし
泣きたくなるみたいに





自由詩 週末温度 Copyright 船田 仰 2007-03-08 01:08:07
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