沈丁花
さくらほ

咲かぬ花を温めて
孵らぬ卵を包み
私たちは手を繋がず
夜明け前に夢を見る

鳴いてはならぬ 暁の鳥
目覚めてはならぬ 琥珀の瞳
結んではならぬ 明日の実

空には真白な三日月
橋には誰かが落とした靴
どこからか懐かしい香り
すぐそこに薬玉ころり
沈丁花


自由詩 沈丁花 Copyright さくらほ 2007-03-07 22:52:29
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