標識 2
岡村明子

空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく

風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ

お母さん
あなたと同じように
私も
いつのまにか
風の中にいました
何が原因だったのか
どうやったらここから抜け出せるのか
舞い上がる砂埃に目を押さえているのに必死で
周りをたくさんのものが過ぎていくように感じますが
背中に砂塵がたまっていても
動くことよりじっとしていることのほうが
解決になると信じているしかないのです


自由詩 標識 2 Copyright 岡村明子 2004-04-19 23:01:50
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