Golden Fertilizer(part 2)
生田 稔

 Golden Fertilizer(part 2)
 1. 常識では汚いという印象を、ぬぐいきれない人糞に就いて再び述べさせていただく。先回は人糞の資源としての活用を奨めることのみであったが、今回はその具体的な方法を思いついたので少し書いてみた。
 人糞は有機物である。これは燃えるのである。聖書の中に、神が預言者に人糞で食事を煮るようにと命ずところがある。預言者は「どうかお許しください、穢れたものはまだ私の口に入ったことはありません。」と言い、神は「ではロバの糞で煮るがよい」と譲歩すると言うところがある。確かエゼキエル書あるいはエレミヤ記の中の記述ではなかっただろうか。
 動物の糞は燃料として世界の至るところで用いられている。賢明なことであり燃料の不足もこんなことで補えるので、考え方しだいで人間は、随分豊かになるのではないだろうか。ヘブライ人の預言者は人糞を毛嫌いしたが、偏見でしかなかろう。この偏見を除くことが出来れば、人間はもっと資源活用が容易になるのではないか。
 石油がどのようにして出来たかは色々説があるが、私は以前ノアの洪水から、想像をたくましくしたことがある。ノアの洪水がどの範囲に及んだかは聖書には確かな記録はないが、ノアの箱舟は今の中東のメソポタミヤで建設にとりかかったとするのが有力であろう。
 洪水が終わった時、船はアララト山の上にとどまったと記録があり、今もアララト山にはノアの箱舟が存在していると言う。さらにその洪水は西はアルジェリアの砂漠から東はモンゴルのゴビ砂漠までその間にアラビヤ・イラン・パキスタンなどなど不毛の地を多く抱える国々が多いのを考える時、ノアの洪水はこの東西に広くまたがる一帯に広がつたのではないかと想像することが出来る。この広い巨大な帯状の地域は洪水以前は肥沃な動植物が豊かに存在するところであったのではなかろうか。何故砂漠になってしまったのか、ノアの大洪水の所為であるに違いない。砂漠地帯がこのように連鎖的に存在するのはそうでないとおかしい。
 そして石油産出国はこの一帯に非常に多い、洪水によつて死滅し、砂に覆われたりして地上に残った動植物の死体は、乾燥した気候と太陽の熱によって炭化して、石油あるいは石炭となったのである。
 この今も残る砂漠地帯に、人糞や生ごみを多量に運ぶことによって、石油を作ることができるのではないかと思う。ノアの洪水の後石油は比較的短期間で出来ていったようである。創世記をみると、ノアからさして後でない時代に生きていたアブラハムの時代にはメソポタミアのところどころにチャンの穴、つまり瀝青が地上に噴出しているところが方々にあったことが記録されている。瀝青の穴とは石油の噴出孔であるに違いない。
 これらの事実を列挙しても、誰も石油の製造と直接結びつける人は少ないかもしれない。
でも私はそうは思わない。



2.上記の文において、ノアの洪水と石油の関係に就いて述べたが、この文ではもっと卑近なことを述べてみよう。
 最初から、糞便の利用法を述べんとする,のであるから。もっと簡単に糞便を燃料化する方法を考えたい。つまり多量の糞便は容易に入手できるのであるからこれを適当に何らかの方法で処理し、石油・石炭・アルコールと混ぜることである。そうすれば糞便は各々と同化してその可燃質量を増量することが出来るのではないか。
 地上には人間が異常に多く地球はグローバル化したのであるから、糞便の利用と言った誰も考え付かないようなものに、何処にでもあるようなものを利用しないとやつてはいけまい。水や空気や太陽熱また風力、昔の人たちはこれらを巧みに利用していた、自然の不便さに反抗して人類はこういったものを退けがちであったが、神の作られた自然には大きな可能性があることを現代人は知りつつある、もっと空想や想像を豊かにすればヒントはいたるところにある。


散文(批評随筆小説等) Golden Fertilizer(part 2) Copyright 生田 稔 2007-03-05 16:10:04
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