弱さという温もり
茉莉香

疲れて仰向けになって空を見上げると
手を伸ばせばいつでも届く距離
涙を私にぽたりと垂らしながら
あなたは両手を広げて私を力いっぱい抱き締める

足枷は貴方の優しさと弱さ
私は逃げてもその足枷の傷みに
鎖の長さに屈しそのまま平伏す

それでもこの温もりは本当ではないことを本能は悟り
貴方は私と他の女性と全てを手に入れようと
寂しさと弱さとをない交ぜにした顔で
必死に手を伸ばして私を掴む

諦めないここからいつか
私は憎悪を心に溜める


自由詩 弱さという温もり Copyright 茉莉香 2007-03-05 16:04:46
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