薇仕掛け
海月

機械仕掛けの都会の街並み
高層ビルの間を風が抜けて行く
人々は目的もなく彷徨う
そんな運命(定め)なのでしょうか?

緩やかに時間は下降線を描き
破滅の時を刻みつつ在る

夕暮れ時は空が茜色に染まって
それはそれは綺麗で言葉を失い
眩しさに目を細めながら見ている

来年からは眺めが変わる風景
この窓の向かいに大きなマンションが建つみたいで
剥ぎ取られた風景は盗まれた絵の様で
額縁だけが静かに壁に飾ってある

自分は何の為にいるのか?
答えのない幼稚的な質疑を月の無い晩に自分に問う
暗闇の夜は風が冷たく
私の心身共に凍えさす
結局、答えは何も出ずに夜は明ける

何かを望む事は止めた
いつも手に入れた時に失望に出会う
その度に傷付く心は今も膿み
渇く事無い傷口が剥き出しになっている

立ち止まり周りを見渡す
二つの場所を行ったり来たり

ぜんまいヲ巻かレた
私ハ何ヲすレばイイ?



自由詩 薇仕掛け Copyright 海月 2007-03-04 01:23:57
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