鉄砲なんてこの世から無くなればいいのに
はじめ
バーン!! 人が撃たれる
路上で男が血を流して倒れている
血だまりは広がっていって 排水溝の中に流れていく
下水道に流れてきた男の血を交尾中の蛙達の頭に落ちて垂れてきたそれを舐める
砲弾した男は肩を上下させハーハー言いながらヘヘヘと笑いその場から去っていく
そこを通りかかった近所のおばさんは男が血を流して倒れているのを見て大声を上げ警察を呼びに行く
男にはまだ意識があり右手の人さじ指をクッと動かすと血だまりの地面を引っ掻いた
男の爪は血が浸食して染まっている
男は全身全霊で手に力を込めて仰向けになった
男の呼吸は荒い
心臓からドクドクと噴水のように血が噴き出す
意識は少ない
男は胸を押さえながらポケットから手紙を取り出した
離婚した妻が連れて行った愛する我が子からの手紙だ
便箋を開け
中から手紙を抜く
「大好きなパパへ。私はいつもパパのことを想っているよ。大好きだよ。早く大きくなってパパと会いたいな…」
男は大量に涙を流し噎せ返って血を吐いた
ちっ…ヤバい仕事に手をつけなきゃ良かったぜ…
後悔と絶望が彼の感情を揺さぶっていた
男は最後にジャケットの内ポケットを手でまさぐりジッポと煙草を一本取り出し
煙草を咥え
火を付けて貫通した胸に煙を大量に送り込み吐き笑いそして死んだ