天国と地獄
はじめ
地下の森の匂い
なんともみずみずしい匂いがするものだ
地上は砂漠化で植物は一本も生えていない
北極と南極は温暖化で溶け海抜が上がり大陸は大幅に縮小した
地球は青と白と黄色の世界になった
人間は生き延びる為に地下に巨大な空間を作り
生物をそこに移動させた
上の世界(地上)では盗賊達が残された資源を目当てに世界中を飛び回っている
地上では海の生き物以外全て絶滅した
海賊達は海の生き物を売って生き盗賊達と商売をやっている
地下の人間達は滅多なことがない限り地上には行かない
中には地上の人間達と密輸を行っている人間達もいる
地上(地獄)への穴は無数に存在しているので国家警察も全ての入り口を監視することはできない
地下で悪いことをした人間は地上へ送られそこで生き延びなければらない
地下では以前に栄えていた地上とそっくりの世界が広がっている
太陽がない為全て電気で巨大な地下を照らしている
食べ物は温室栽培で作っている
家畜を飼い足りない栄養分を補っている
地上では世界中の盗賊と海賊を総括する統一国家ができている
地下の国家とずっと戦争中だ
僕は田舎の森の動植物達を守る仕事をしている
山羊たちの面倒を見たり木々の成長を見守っている
早く地上と地下の仲が良くなって戦争が終わればいいのにと思っている
終わりの見えない戦争
それとは打って変わって平穏で幸せに満ちている僕の森