創書日和「炎」 Own Fire
大村 浩一
きみの中に青白い強い炎がある きみがきみ
ひとりで燃やしてきた炎 ほかの誰によっても燃やすことの出来な
い炎 刺すような傷の痛み
再生される記憶 およびその欠如 誕生
性交 葬送 持久 フイルムの切れ間にひかり スクリーン 見
たことのないいろ (何も写っていないよ) 樹木として生きたき
み 爬虫類を生きたきみ 洪水として暴れたきみ 矮星として再生
を待つきみ 僕ではない きみ
ほの暗いO'jas Loungeのテーブルに ※
陣取り キャンドルに手をかざしていた 手の甲 手のひら 指先
また手の甲 底冷えする地下の部屋で ひとり呟いたもの 叫ば
れたもの あくまでも独り あくまでも身勝手で だからこそ純粋
だったもの 囁いたもの 囁かれたもの
きみの中に炎を口移しする
炎はきみに燃えうつる かに見えるが 鎮まるいいえ 鎮まらな
い その炎のいろひかりの成分 きみが見たauroreのいろで燃える
きみが見た僕の炎のいろで もしきみの心臓が止まり 僕の心臓
をポンプとして繋いでも きみの炎はきみの色で燃え続け きみの
自由で揺らめく 相容れぬ異形の うつくしいいきもの
#O'jas Lounge …以前、南青山でミミさん達がやっていたカフェ。
#ポエトリーリーディングの「梁山泊」的な存在だった。
2007/2/27
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