地獄の声
はじめ
通気口から地獄の呻き声が聞こえてきた
僕はいつもそれを聞くと心が砕かれる
頭は混乱して呻き声が通気口から耳許に移って永遠と苦しめ続ける
僕はこの詩を書いて身を浄化させるつもりだ
僕は呻き声に耐えながら頭を押さえてペンで浄化の詩を書く
一定の量の詩を書かないと効果が無いのでひたすら書きなぐる
その間も呻き声は僕の全身を蝕み神経を過敏にさせ
書く手を激しく震わせて抵抗する
ワ・タ・シ・ニ・サ・カ・ラ・ウ・ナ
呻き声は完全な言葉となって僕の耳許から脳にかけて朽ち果てさせようとしている
僕は猛烈なスピードで筆を進める
冷や汗が大量に出てきて詩を書いている紙がびしょびしょになる
が 途中で発狂してしまった
僕は自分を押さえることができず
ペンで心臓を突き刺してしまった
血が噴き出し辺りに飛び出し僕は血を吐いた
僕は血をまた吐き出し流しながら負けるものか! と思った
心臓からペンを抜き取り再び腕を動かした
…あともう少しだ もう少しで詩が完成する!…
あと数行…あとちょっとだ…
すると声は追い打ちをかけるようにさらに音量を上げ脳天を突き上げた
僕は鼻から血を噴き出し体がビクンと上に伸び強い衝撃を受けた
く…くそう…あ…あ…と一行…
僕は最後の一行を書き終え詩を完成させた
すると青色の光が紙から発せられ声は悲鳴を上げながら消えていった
僕の傷も治っていった
僕は地獄の呻き声を克服できたのだ