Little Red Riding-Hood
三架月 眞名子

ボクはずっと見てた

キミが狼に食べられるところを

笑ったよね

キミは笑ったんだ

狼が口をあけた瞬間

知っていたんだろ?

そこに寝ているのはおばあさんじゃないって

分かってて近づいた

だってキミは死にたかったから

ボクはずっと見ていたよ

キミはお母さんにいぢめられていたね

そんなに目立つ赤い頭巾をかぶらされて

それが狼の目に留まって

キミが食べられちゃえばいいと

そう願われていたんだ

そしてそれを知ってしまった

キミは悲しくて

許せなくて

でも嫌いになれなくて

愛していたから

その通りになってやろうって思ったんだ

だから笑ったんだ

でも

そうはさせない

ボクはキミを助けるよ

だってキミに最初に目をつけたのは

狼じゃなくてボクだから

その赤い頭巾に

その悲しげな目に

一瞬で目を奪われたのは

ボクが最初なんだよ

狼になんて渡してたまるか

だから

腹を裂いて助けて

代わりに石をつめて

井戸に落として証拠隠滅したら

死んだことになっているキミを

ボクの家に連れて帰ろう

そしてずっと一緒に暮らすんだ

もう誰もいぢめたりはしないよ

そう

キミはボクのもの

ずっとずっと

ボクの赤頭巾ちゃん


自由詩 Little Red Riding-Hood Copyright 三架月 眞名子 2007-02-27 04:34:40
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