日本代表
シリ・カゲル

ある日曜日
いつものように遅めの朝食をとりながら
新聞を眺めていたら
君が日本代表に招集されていた

確かに最近の君のパフォーマンスには
目を見張るものがあったけれど
(贔屓目になんか見てないよ)
まさかこんなに早く
テッペンにまで登りつめるとは
思っていなかった

ところで何の競技なんですかね?

君は、僕をパートナーにして
さっそく自主練習を始める
なんてったって、日本の代表なのだ
世界の檜舞台で
恥さらしな振る舞いをするわけにはいかない

だけど僕らふたり、何を練習したらいいんですかね?

そこで君は
朝刊の記事を書いたとされる記者に
電話をかけてみることにした
私はいったい、何の競技の
日本代表に招集されたのですか、と

物静かな記者は答える
競技とかそういうことではないんだ
君はただ
君であることにおいて
日本代表に招集されたんだよ
僕はそれを報道したまでだ

それは君にとっても僕にとっても
この冬一番の嬉しい知らせだった。


自由詩 日本代表 Copyright シリ・カゲル 2007-02-26 08:40:05
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