射干玉の月
朱雀

無明の闇から こちらを見つめ

綺麗な月は嗤うのです


虚空に伸べた 手の平に

冷たい銀の棘を刺し

水面みのもきくす 白い手に

波紋に千切れた 水渋みしぶをからめ

ただ渺漫びょうまんと 嗤うのです


昏愚こんぐに喘ぐ 憂人よ

死魄の闇に手をかざせ

朔の真中まなかに照る月を

心裡の底に映し出せ


それが出来ぬというのなら

虚しい愚行を重ねるまでと

慈悲の光を投げかけて

綺麗な月は嗤うのです


自由詩 射干玉の月 Copyright 朱雀 2007-02-24 11:34:26
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月下の幻視者