poisonous apple
三架月 眞名子

真っ赤な 真っ赤な毒入り林檎

毒入かどうかを見分ける以前に

どうして自分の継母に気付けなかったのか


それはね

キミが自分しか見ていないから

真っ白でふっくらとした肌と

真っ黒でつややかな髪と

真っ赤でうるうるした唇の

美しい自分の姿に目を奪われて

周りに目を向けなかった

キミを慕う7人の小人たちのことすら

未だに見分けがつかないんだろ?

だから変装した継母を見抜くことが出来なかったんだよ


それがあまりに盲目的ゆえの

キミの罪


本当はね

口付けなんかしたくないんだよ

だってボクまで毒を飲んでしまうかもしれない

キミの口移しで

でも口付けようと思う

だってキミはあまりに美しいから

目が覚めたら

キミはボクのもの

永遠にボクの隣で笑っていてね

その美しい顔で

いやとは言わせないよ

だってキミに選ぶ権利はないのだから・・・


自由詩 poisonous apple Copyright 三架月 眞名子 2007-02-24 00:34:10
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