poisonous apple
三架月 眞名子
真っ赤な 真っ赤な毒入り林檎
毒入かどうかを見分ける以前に
どうして自分の継母に気付けなかったのか
それはね
キミが自分しか見ていないから
真っ白でふっくらとした肌と
真っ黒でつややかな髪と
真っ赤でうるうるした唇の
美しい自分の姿に目を奪われて
周りに目を向けなかった
キミを慕う7人の小人たちのことすら
未だに見分けがつかないんだろ?
だから変装した継母を見抜くことが出来なかったんだよ
それがあまりに盲目的ゆえの
キミの罪
本当はね
口付けなんかしたくないんだよ
だってボクまで毒を飲んでしまうかもしれない
キミの口移しで
でも口付けようと思う
だってキミはあまりに美しいから
目が覚めたら
キミはボクのもの
永遠にボクの隣で笑っていてね
その美しい顔で
いやとは言わせないよ
だってキミに選ぶ権利はないのだから・・・
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† 童話 †