問い(応え)
木立 悟




夜の硝子
朝の氷
はやく溶けるのは
(指)


祭壇の上
振り払われた火
煙の行方は
(川底)


ひとつ
かけらが降る
ふたつめは
(手のひら)


溶けた雪だけ
照らす光
雪のはざまは
(鼓動)


誰もいない道
音と影の街
片目だけが聴く
(みどり)


建物のようだ
建物ではない
遠のいてゆく
(けだもの)


空の端
空の端
どこまでが空
(羽先)


風が連れてゆく
何もかも
吹雪より高い
(うたごえ)


空の名残り
枝のしたたり
雪がなぞる火
(足音)


















自由詩 問い(応え) Copyright 木立 悟 2007-02-22 21:55:46
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