せめてため息は
山崎 風雅


 広い空の見えない街角
 電線に雀が止まってさえずる
 地を這いつくばる俺達をどう見ているのだろう
 
 擦り切れて勢いのなくなった魂は
 春の暖かな太陽を切望している
 透き通るような気持ちに会いたくて
 俺は今日も自己完結のシナリオを書く

 残された微熱に幼さを感じて
 まだまだだと独りつぶやき
 見たことのない路地裏に迷い込む
 時計の針は止まらない
 そして戻らない

 人生の方位磁石で迷い道
 各駅停車いいんじゃない
 夜の帳に灯る街の灯
 行き場所なんて最初からないのだから
 せめてため息は誰もいない所で



自由詩 せめてため息は Copyright 山崎 風雅 2007-02-22 19:46:16
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