光センチメンタル
ブルース瀬戸内

まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
いいんです。気にかけないでください。
気にかけたところで
私は地球を七週半している最中です。
いいんです。思い出さないでください。
思い出したところで
私は宇宙の真空を無目的に疾走しているだけです。

まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
いいんです。捕まえようとしないでください。
私のスピードではあなたの影になることもできません。
いいんです。崇めないでください。
私はひどく無機質です。

まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
暗がりが嫌いなだけなんです。
照らしたいだけなんです。
暗いと目立つから
自分が誰だか分かってしまうから
照らしたいだけなんです。
だからはるか彼方へ駆け抜けるか
全部照らしてしまうことで匿名性を保ちます。

それでもこうして伝えにきてしまう性格も
考えものではありますが。
それではこれから恥ずかしながら
あなたの視覚と星をつなぎます。
では。
ヒュン。


自由詩 光センチメンタル Copyright ブルース瀬戸内 2007-02-20 22:30:47
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