降る様な星の夜に
はじめ

 降る様な星が君の後ろで輝いている
 平原を君と手を繋いで走りながら
 世界中の女の子達のことも忘れて君のことも眼中に入らず一瞬見入ってしまった
 星々が瞬きをしないのなら僕が瞬きをしよう
 この狭く高い空間の中で
 幼い僕達二人だけの世界で
 思いっきり背伸びをしよう
 この星々は君の瞳の次に好きだ
 空は黒く澄んでいて星々の呼吸が聞こえてくるようだ
 星が点滅しているのは呼吸していることの証拠だ
 あの星々を吸い込んで飲み込んでしまいたい
 世界中を探してこんな場所があるだろうか
 きっと無いだろう
 君を追いかけるように走っても走っても星々には追いつかない
 村一番のお屋敷のお嬢様だ
 君はバランスを崩し草むらに倒れた
 君の手に引っ張られて上に覆い被さった
 息を切らしながらも笑顔で僕を見上げていた
 背中に視線を感じながらキスをした
 顔を上げた僕は君の瞳に降る様な星が映っているのが見えた
 その瞳の宇宙に吸い込まれそうになった
 見れば見るほど星々は輝き
 無限の宇宙の旅をした
 

 ふと気が付いて君に笑われて現実と夢の区別がつかなくなった
 僕も笑って
 君の横に倒れて空を見上げた
 流星が空を斜めに下っていった
 それはフロントガラスに付いた水滴のようだった
心の中で願い事をすると夜眠っている時に人間の姿をした星がやって来て
 胸に耳を当てて願い事を聞いてその願いを叶えてくれると君は言った
 心の中で願い事をした
いつまでも一緒にいられますようにって
 どんなお願い事をしたのと聞いてきた
 同じだよと言った
 君は僕に頭を寄せにっこり笑って目を瞑った
 

 僕達は広いこの地球にいる
 膨大な星々に見守られて
 僕達も彼らから見れば一つの星に過ぎない 心地良い風が流れてくる
 君と僕は向き合った
 いつまでもこの時間が永遠に続きますように…


自由詩 降る様な星の夜に Copyright はじめ 2007-02-20 09:20:56
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