クラゲ
ぽえむ君

ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハーモニーだ
音は必要ない
どんどんクラゲが増えてくる
大きかったり小さかったり
緑色だったり赤だったり
全員で夢を語り
黙ったままその世界の中にいる
無音の響きはいつまでも続く
いつのまにか
部屋の中はクラゲでいっぱいになった
クラゲは自分で部屋の窓を開け
そのまま空へと次々に消えていった
空では
雲の上でシンフォニーが奏でられている
もうヘッドフォンでは聴けない


自由詩 クラゲ Copyright ぽえむ君 2007-02-19 11:02:22
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