ゆうがたの魚
yo-yo


ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい


水が均衡する
まずめどき


幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ


しのびよる色が
どくどくと熱いときもある
ひやひやと冷たいときもある


ひろがってゆく波紋
水と空を分けて
とつじょ失踪する魚の群れ


そのとき
満ちてくるものの
魚が超えるかなしみの深さへ
手が届かないひとの
ひとびとの背がかなしい





自由詩 ゆうがたの魚 Copyright yo-yo 2007-02-16 07:26:57
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