宝石
たもつ
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
とだけ言った
今思えば
母にとって
一番つらい時期だった
自由詩
宝石
Copyright
たもつ
2007-02-13 20:23:46
縦