waltz
はらだまさる



さらさらと、ワルツを集めてる
頭を垂れたワルツを
集めている


真冬を凝縮して
少し熱っぽい朧な
器官の彼岸に 


赤や紫を
粉々にして
昨日の電話口から溢れ出した
乱調を、ワルツを
少しずつ集めている


畳のうえの、滲みみたいな
胡坐を真ん中に倒置して
しわくちゃに生まれて、しわくちゃに生きて、しわくちゃに死んでゆく、
無責任な、
ひどく無責任な
刃の傷が重なった
不透明な硝子越しの
綺麗なワルツが
酸性に怯えて
震えて、凍てた
両の手の指が
反応し
真っ赤に
腫れ上がり
勃起してるよ、
介護を必要とするワルツを
眉のない白塗りの
顔に寄せて 


聴こえるよ
信じるものじゃない、
選択するものなんだ、と


ぼくらの耳が
乾いたワルツを拾い集め
こころの底から、
憎しみを込めて青空を糾弾する







自由詩 waltz Copyright はらだまさる 2007-02-08 13:00:28
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