夜に出でし月は(「古語の宴」例示作品)
ぽえむ君
夜に出でし月は
右より欠けて浮きつつも
心鎮むる情けありて
ただひたすらに眺むらむ
何をか語らむその月は
暗き空に染むるる色は
今に咲く黄梅と思ほえ
心なつかし
夜に出でし月は
千年百年繰りかへし
同じさまのやうなれど
そと見えぬものこそあやしけれ
何も見えず
風のみぞ吹くこの地にも
夜に花が咲くものかはと
心にぎはふ
山の端より出でし月は
今や高き南にうつろひ
あからむ空に
時を思ひとどめむ
自由詩
夜に出でし月は(「古語の宴」例示作品)
Copyright
ぽえむ君
2007-02-07 22:43:29
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