ガーゼ
umineko

 私の胸の
 小さな傷の
 隙き間に
 君は棲んでいる

 大袈裟な
 ガーゼの奥に

 ええ
 見える範囲での
 リンパ節は
 全部
 廓清しましたから

 麻酔から
 目覚めた私に
 ぼんやりと雨が降る

 そうだね
 見える範囲で
 だけど
 君は目には見えない

 いつか
 君は目を覚まし
 私の身体を
 あやつるだろう

 私を
 動かすのは
 君

 それまで
 恋をしてもいいですか
 私は尋ねる
 胸棲む君に

 乱暴にはしないから
 いたわってあげるから
 それまで
 それまでずっと

 恋をするんだもう二度と
 戻れない恋を
 するんだ
 するんだ

 私は
     
     
 私は




自由詩 ガーゼ Copyright umineko 2004-04-11 23:20:42
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