光の胎児
ヴィリウ

光の中で 君の中で死んでゆきたい

目を閉じても尚闇が訪れないくらいの洪水のやうな光の中で

折れるくらいに強く

君に抱き締められて

眩暈がするほどに満たされたなら

不意の終はりも 至福だと思へるのです



ねえ きみ


まう一度 気が触れるくらいに側にゐて下さい

愛して下さい



狂おしゐほどの 光の中で死んでゆきたい

目を閉じても尚血の色を 此の瞳が見続けるくらいの光の中で

窒息するくらいに固く

君に抱き締められて

揺るぎ無い愛情を感じることが出来たなら

わたしは君で良かつたと思へるのです






遥か昔 胎児だつた頃から

ねえ

おかあさん


自由詩 光の胎児 Copyright ヴィリウ 2007-02-06 22:08:16
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