いつか千切られる日
示唆ウゲツ




片目を隠して あたしはあるくんです。

手を繋ぐと

慣れそうでイヤだから 叫ぶだけにして

語感のすべてがすき

とか言ってみる。

性愛の成れの果てが義務なら

じゃれあった日々ごと消してしまいたい

口笛を吹き鳴らし

ぼうっと光る水田で浮かぶのです

舌打ちしながら近寄る村の若者を

限りなく純粋に抱いてあげて(限りなく純粋に)

あたしと水路とを隔てた柵に

膨らんだからだを突き刺してあげて

バッハを弾くんです

超夜型のあたしは

あなたの口をふさいでから

浮き沈みする感情を すこし 井戸水に

分け与えて




自由詩 いつか千切られる日 Copyright 示唆ウゲツ 2004-04-11 21:12:34
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