まあるい　かたちを　はりつけて
あなたは　まる　よ


おほしさまの　かたちを　はりつけて
あなたは　ほし　よ


しかくい　かたちを　はりつけて
あなたは　しかく








しかく　は　いいました

　「ぼくは　しかく　じゃないよ　さんかく　だよ」

かみさまは　こたえました

　「いいえ　あなたは　しかくよ
　　わたしが　そう　きめたのだから」

しかく　は　いいました

　「でも　ぼくは
　　しかく　じゃないよ
　　さんかく　だよ」

かみさまは　こたえました

　「いいえ　あなたは　しかく　よ
　　みんなも　あなたを　そう　よぶもの」

しかく　は　いいました

　「ぼくは　さんかく　だと　おもうけど
　　みんなが　しかく　と　よぶのなら
　　しかく　でも　いいよ」


かみさまの　ことばを　きいて
しかく　は　かなしそうに　だまりました








つぎに　まる　が　いいました

　「わたしは　おほしさま　が　よかったわ」

かみさまは　こたえました

　「いいえ　あなたは　まる　よ
　　わたしが　そう　きめたのだから」

まる　は　いいました

　「でも　やっぱり
　　わたしは　おほしさま　が　よかったわ」

かみさまは　こたえました

　「いいえ　あなたは　まる　よ
　　あなたに　いちばん　にあっているもの」

まる　は　いいました

　「おほしさま　も　いいけれど
　　まる　のほうが　わたしに　にあっているわよね」


かみさまの　ことばを　きいて
まる　は　すこし　まんぞくして　だまりました








さいごに　おほしさま　が　いいました

　「ぼくは　このまま
　　おほしさま　の　ままでいいよ」

かみさまは　こたえました

　「そうでしょう
　　だから　あなたは
　　これからも　ずうっと　おほしさま　よ」

おほしさま　は　いいました

　「ぼくは　ずうっと
　　これからも　ずうっと　おほしさま　なの？
　　なんだか　それは　いやだなあ」

かみさまは　こたえました


　「いいえ　あなたは　ずうっと　おほしさま　よ
　　あなたしか　おほしさま　には　なれないもの」


おほしさま　は　いいました

　「そうなんだ
　　だったら　ぼくは
　　ずっと　おほしさま　が　いいな」


かみさまの　ことばを　きいて
おほしさまは　よろこんで　だまりました




こうして　せかい　は　できあがりました
しかく　と　まる　と　おほしさま　の　せかい　です




かみさまの　くれた　かたちは
なりたい　かたち　とは　ちがったけれど

かみさまの　ことばを　すなおに　しんじて
みんな　じぶんの　かたちを　うけいれたので


とっても　へいわ　な　せかい　に　なりました