ゆかりの雫(五)
信天翁

寒冷前線が鄙びた丘の上でさまよっている
          ゆかりの雫を垂らす
 青磁いろにおめかししたはつはるの雲よ
     乾いたひとみで見定めておくれ
    昔 坂道を威勢よく駆け上がった
     白馬のシュールなかげの濃さを
  そして 潤んだまなこで見詰ておくれ
       今 坂道をヨタヨタと下る
   黒牛のデカダンスなかげの色合いを
         (平成十八年一月一日)            


自由詩 ゆかりの雫(五) Copyright 信天翁 2007-01-28 16:24:41
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