禮禍四十四口径皆殺賛歌
虹村 凌

ポエムを殺す為に僕等は生まれて来たのだ

街は平和なふりをしているけれど
見捨てられた裏通りから
ギラギラした眼つきで見張ってるんだ
言葉はいつだって駄目なものだけど
それをもっと駄目にするポエムを
ずっと見張ってるんだギラギラした眼で

真夜中の道を街灯を頼りに歩くのは詩で
ボクがキミをダイスキなのはポエムだ
余計な物の海で溺れているのなら手を貸そう
溺れている事に気付かないのなら撃ち殺してやる

瞬きする間に消える鳴らし損ねた鐘を思うのが詩で
自分だけに都合のいい自由世界を羨むのがポエムだ
流れ落ち行く涙を拭わずに
陽だまりで煙草を吸うのなら手を貸そう
何時でも誰かに優しくされていたいだけなら
四十四口径を突きつけて引き金を引くよ

真夏の真夜中のど真ん中で突っ立って
平和なふりをしている街を握り締めて
他人の足元をすくう事に必死な奴等に叩きつける

忘れられた裏通りから
ギラギラ眼をした奴等が這い出てきて
一斉にポエムを撃ち殺す
全てのポエムを撃ち殺す
禮禍四十四口径皆殺賛歌

ポエムを殺す為に僕等は生まれて来たのだ


自由詩 禮禍四十四口径皆殺賛歌 Copyright 虹村 凌 2007-01-21 13:51:34縦
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