富士山
水在らあらあ
朝
君は 泣いて
朝
戸を閉めて
二人はもう一度夜を創造する
血 を ながして
朝
ひ か り
二人が生んだ夜を
野蛮な 夜を 漂白する 光
朝
ゆるいねまきで 半ケツで 君はキッチンに立つ
コンソメのミルクスープを作る
きりんのワルツ 鼻歌をまぜて
朝
快晴 風は冷たく軋んで
別れのくちづけを 奪う
朝
坂の上から見える真っ白い富士山に向けて
二人拝んだとき
大きな白菜の入った君の買い物籠を
俺は持っていて
あわせられず拝んだ右手
右手を
右手が
君の胸にふれる
ボタンが 外れて
坂道を転がってゆく
朝
二人は きよらかで
朝
二人は 笑って