富士山
水在らあらあ







君は 泣いて




戸を閉めて
二人はもう一度夜を創造する
血 を ながして




ひ か り
二人が生んだ夜を
野蛮な 夜を 漂白する 光




ゆるいねまきで 半ケツで 君はキッチンに立つ
コンソメのミルクスープを作る
きりんのワルツ 鼻歌をまぜて 




快晴 風は冷たく軋んで
別れのくちづけを 奪う




坂の上から見える真っ白い富士山に向けて
二人拝んだとき
大きな白菜の入った君の買い物籠を
俺は持っていて
あわせられず拝んだ右手
右手を
右手が
君の胸にふれる
ボタンが 外れて
坂道を転がってゆく




二人は きよらかで




二人は 笑って







自由詩 富士山 Copyright 水在らあらあ 2007-01-20 16:16:38
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