窓からみる
あおば

















キタキツネの
ふわふわした
尾っぽのように
跳んでゆく白いキツネの
襟足のような北国の君の姿を
粉雪の舞い散る岡に探してる
ぼんやり窓の外を眺めている

天気予報ではこれから吹雪になると言う
学習塾の授業を終えてテレビを見ると
センター試験を終えた大学受験生
寒さと痛さを顔にも示さないで
黙々と歩いている
テレビ局のインタービューは
相も変わらず暢気なもので
舟宿の女将さんなら
口が裂けても言わないような
あけすけに昼の結果を問うている

窓から見る雪はちらちらと
あどけない様子をしながら
凍り付いた坂道を隠していく
堅く凍った道をぎしぎし言わせながら
受験生がものもいわずに通り過ぎていく
それが役目だと言うように踊りながら降り積もり
怠惰な大人達をテレビの前に釘付けにして
古くさい人形にしていく。

明日は晴れると好いな。


自由詩 窓からみる Copyright あおば 2007-01-19 23:45:13
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