精一杯の一日なので
ぽえむ君

今日一日を生きることで
精一杯だったので
寒い日だったことは覚えているけれど
空が透き通るような青だったかどうかは
わかりませんでした

今日一日を生きることで
精一杯だったので
温かいものを食べたことは覚えているけれど
どこの畑で取れたものなのかは
わかりませんでした

今日一日を生きることで
精一杯だったので
多くの人と会話したことは覚えているけれど
その人の夢がどんなものだったのかは
知らずに過ぎてしまいました

今日一日を生きることで
精一杯だったので
ほんの少しの悲しさが
大きな悲しさに思えてしまい
涙をこらえることが
生きることの一つになっています

それでも
精一杯生きないと
今日一日が生きてゆけないので
辛さを心の奥にしまいながら
わずかな喜びを
大きな幸せと思い
精一杯な一日は決して不幸な一日ではなく
幸福な一日だったと思いたい
そこに生があるのだから


自由詩 精一杯の一日なので Copyright ぽえむ君 2007-01-15 11:28:12
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