花は摘むもの
フユナ

十分ほど歩くと海がある

そこに行くまでに魚屋がある

食べられるための魚が置いてある

あなたはきっと

今でも

魚の目を見れず

逸らして自転車を軽やかに(でも重々しく)

こいでゆくのだろう

海へ

急旋回



きれいはきたないきたないはきれい

というきれいな世界



花は摘むもの

母からも思想からも

禁止されているようだけれど

僕は今も

あなたに見せようと思う

幾種もの花のすべてを

土からはなれて

朽ちていくいろどりのすべてを

きれいはきれいきたないはきたない

という遺伝子

夕暮れ

手足

ここまで

連れては来れないから

花は摘んで

摘んで

おくよ











自由詩 花は摘むもの Copyright フユナ 2007-01-14 17:15:54
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