大きな木の下で
むらさき

ぱっくりと割れた
蛍光灯の光が
あんたの足元に
突入している

あたしは足元に広がる地面を
かきむしり始めた
誠実な犬のように

驚いたあんたは
その場所から動けなくなって
目の前にあった木の幹を
掴んだのでした

つめの間に
たくさんの石ころが
入っていくわ
マニキュアも
剥げていくわ
それでも
あたしはかきむしる
あたしたちの原型が見つかるまで

いつか土の中から
にょっきりともう一組の
あたしたちが出てきて
きっとこう言うわ
あんたたち誰って

そうしたら
あたしたちもこう言うわ
あんたたちこそ誰って

しばらくして
お友達同士になれたら
4人で手をつなぎ
ぶっ倒れそうな木の周りを
ぐるぐると回りましょう

ぐるぐるとぐるぐると
ぐるぐると回りましょう


自由詩 大きな木の下で Copyright むらさき 2007-01-09 18:50:36
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