蒼い雪原のどこかに
佐羽美乃利

僕の心臓から生まれた鳥は
灰色の雲に追われ

君の掌から咲き出した花は
昏い出窓でうなだれている

悲しみと苛立ちに
覆われたこの星で

空々しい挨拶など
悪魔に食わせるしかないさと
誰かの低いしわがれ声

それでも僕は言おう

新しい年の始まりに
おそれず世界と向き合って
生命のパズルを楽しもうと

僕の鳥が緑の楽園で
輝く赤い果実を見つけ

君の花がひかりの方角に
顔を向けて歌い出す

そんな日が来るまで

とにかく
生き残ること

蒼い雪原のどこかに隠された
この世の秘密を解く
ちいさな金細工の鍵が

微かにきらめいて
君を待っている







自由詩 蒼い雪原のどこかに Copyright 佐羽美乃利 2007-01-07 19:40:17
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