「氷上のアーティスト」
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久しぶりに雪が降った
今年の冬はどうも暖冬らしく
例年東京にお裾分けしてあげたいほどに
雪が降り積もるこの街でも
道肌が少し顔を出して
季節は何だか雪融けの頃のよう

道行く人たちは
転ばぬように足元に気を使い
歩き方がぎこちない
これじゃまるで
旭山動物園のペンギンのお散歩みたい
この光景も北国の風物詩だ
スカートの下にジャージを着込んだ女子高生が
奇妙に踊った
彼女に引き続き
前を歩いていた偉そうなビジネスマンが
コートを翻して派手に尻餅をついた
融けかかった雪が凍った路面の上では
誰もが対等らしい

数瞬、
彼らと競うように
僕の体躯も宙を舞った
鬱塞と張り詰めた空から
雪の融けた雨粒が冷たく頬に落ちた



自由詩 「氷上のアーティスト」 Copyright 404 not found 2007-01-07 05:54:36
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