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海風にめくれる詩集さらさらと夕陽が射せば金が散る窓
夕立が過ぎて誰かを恋しがる覗く青空痛みにも似て
潮騒が胸裡に満ちてはなれない朝に夕べに打ち寄せる君
かなしみは魚のよう ....
雨のなかの馬
時間さえ檻のなかに閉じ込められる
そっと名前を呼んだ
季節が過ぎて青いさびしさが満ちてくる
後ろさえ振り向かず駆けていこうとする
雫のビーズをまき散らす夢よ
どうか名 ....
まっさらな春の手紙を開封す花びらこぼれていちめんの花
雨のように心は君をおぼえてるインクのにじみ幾度もなぞり
桜闇何を待ちわびあの日からかごめかごめの輪のなかにいる
雨で ....
山鳩の遠く鳴く朝
僕は旅に出る
心は遠く動いている
窓の向こう
あの坂を下った道に
風が梢をさやがせて
あれは空に向かって高鳴る心臓
緑の葉が一枚 また一枚
流されてゆく
風 ....
かなしくてないているのか
さびしくてないているのか
雲の切れ間に青空
風に小さな羽根をふるわせて
うれしくてないているのか
いとしくてないているのか
透きとおった雪が流れて
目の ....
たぶん、枯葉を踏んで
(小気味良いステップで)
たぶん、あなたの森を歩く
あなたの匂いがする森は
いつかどこかで歩いた道
頬を寄せると風が囁く
おはなしをしよう
ブランケ ....
{引用=――淋しい鳥の夢をみた、
あなたは一体誰ですか}
シーガル 夢をみたの
お前の心臓はとても温かかった
わたしとあわせるとちょうどぴったりして
シーガル 夢だと知りながら
お ....
雪が降ってくるのです
音もなく 羽毛のように
やわらかく 花片のように
雪が降ってくるのです
見えない雪がすべてを包んで
私を埋めてゆく 冬の森
ごらんなさい
遠くから蹄が駆けて ....