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サイコロにもう一面加えた
物体を
積み上げたその
屋上に立っている
風は適度に
産毛を撫でる

乾いたシャツが余計で
もっと濡れていたらよかったのにと
ドライアイ
瞬きの度
次々 ....
しばらくして
テレビを消した
部屋を満たしていた効果音とボケとツッコミが
少し開けた窓から外に流れ出すと
誰かが掃除機をかけているのがわかる

静かで
ひとりだ
冷蔵庫には
鯵の南蛮 ....
ひたひたりと障子の裏
板張りの縁側を歩く女の影があった

夢だということはわかっていた
ずいぶん前に引き払ってしまった
もう祖母しか住んでいなかった一軒家

広い仏間には掛け軸も
どこ ....
二日ほど前
顔のあたりに穴が空いた
穴というべきかなんなのか
顔があるべきところに
冷たい空気がただよっている
加湿器から出たほわほわが
渦をまいてとどまっているようだ

きっとこれは ....
今朝から重く
かたむけたあたまは
いつのまにか耳から後ろが
スズメバチの巣になっていました

どうりで
何をするにも
こめかみの奥で聴こえる
羽音が止まなかったはずです
視界 ....
残念な目的を果たすため乗ったバス
次の停留所を伝える声が
なんだか常世のひとみたいだった
このままあちらの世界へ
引っ張っていってくれてもいいのにと
願いかけたのに降ろされた現世

 ....
ふきすさぶ風のなかで
わたしは落し物を探していました
ロマンチックなはじまり
ではありません
財布がないのです
携帯も
さっき買った
にがりのきいた豆腐も醤油もレシートも
メモ帳もモバ ....
朝食の支度を
大急ぎで終えた
顔もまだ
洗ってなかった
台所で
そのまま食べてもよかったんだけど
ただのエネルギー
身体に充電
してるわけじゃないから

ごちそうさまの
その後
 ....
ごめんなさいを言うように
雨粒がボンネットの上にたどりつく
別に謝る必要はないよ
アーティスト名を手繰りながら
探す曲がみつからない
もしかしたら
入れ忘れたのかもしれない

カフ ....
電気を落とした
湯船に入り
じぶんの顔をまじまじとさわる
こんなところに

あったっけ

どれだけいきても
わからない
ことは
どれだけしんでも
わからないのだろうよ

暗 ....
Tシャツの
袖がほつれている
机の上に
うっすら埃が積もっている
髪の毛が床に数本
散らばっている
タコ足配線の行方が
どれも
わからなくて

ちいさな油断は
部屋に隙間を生んで ....
アラームは既に
スヌーズたぶん二回目

をあけても
すべてあけられない
からだぜんたいが
ひとしくねむい

無理やり
上半身をおこし
腰をひねる
ひねる

ゆるいあたまで ....
という一文が一字一句正確に
記載されていたかどうかは
覚えていないんですけど
とにかくなんだかそういう意味の言葉を
どこかのインターネットのページであるいは
どこかの図書館の片隅の何ページか ....
赤い夜が来る
来ている
窓の外
サッシの隙間から
ぬるり
じわじわ
入ってくる

壁をつたい
床をすべり
絨毯の下にもぐり
中心から
表面に
染み出してくる

見ているし ....
パワーウインドウをおろして
ぱたぱたと灰をまいている
花咲かじいさんは
浅黒い腕しかみえない

パワーウインドウをあげて
その場を去っていった
あとをにごしたものを
私はじっとみつめて ....
LucyさんのSeiaさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
塔とは呼べない- Seia自由詩120-1-18
鯵とテレビと掃除機と- Seia自由詩319-9-21
ひたひたり- Seia自由詩119-8-25
冷たい穴- Seia自由詩318-3-18
ハチノス- Seia自由詩417-4-1
ところにより- Seia自由詩216-9-25
うせもの- Seia自由詩116-8-26
オランジェット- Seia自由詩116-7-25
かもしれない- Seia自由詩316-6-29
とおくなる浴室- Seia自由詩116-4-19
あわない焦点- Seia自由詩216-3-28
靴下をはくまで- Seia自由詩416-2-29
キノコは重力を知っている- Seia自由詩214-11-24
赤い夜- Seia自由詩114-11-24
花咲かば- Seia自由詩214-3-25

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