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忘れた人は
裏切者
そんな不文律の薫る口約束
春、音もなくみだれる
風のまにまに
結んだ蕾、桜色の唇
震えるように綻んで
ころしてやる
忘れたことも
居合わせたことも
....
「せんせい」
僕たちがそう呼んだ
すべての人たちへ
せんせいたちが
愛し愛された
たくさんの教え子のなかの
最も従順で
素直だったあの子に
せんせいたちが
今日
後ろから刺され ....
山のおくの
ごみ処理場のごみの山で
捨てられていた人形のぼくは
捨てられていた人形のきみの手をとって
月明かりのなかを
どこまでも歩いていく
夜が明けるまでに
....
なあ
きみは似ているよ
ぼくが今まで出会ってきた
ぼくがきらいな奴らすべてに
たとえば
自分がまともだって思い込んでるところと
鼻のあながふたつあるところとか
洗面所のガラスに映った ....