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あー
ギター弾いて歌ってると
空っぽになるなあ
あたしの身体にサウンドホールが空くんです

寂しかったら
ここに飛び込んでおいでよ
鮮烈な響きに身を震わして
泣けばいいよ

君のこ ....
6/1
古いカメラのように瞬きをすると
紫陽花から滴る雨粒が
カリッ、と網膜に光の線を引く

6/2
すれ違う人の柔軟剤の香りにときめいて
振り返ると、彼女の背中に
斑点だらけの黒ずん ....
綺麗にしてたつもりなのに
悲しみの中に蜘蛛が湧いた

わたしは掃除機をかけた
ただ、黙って、掃除機をかけた
利用者がうんちを漏らした
トイレに誘導して、ズボンをおろすと
お尻にもデイパンツにもみっちりうんちが付着している

デイパンツを千切って丸めてゴミ袋へ
ズボンを脱がせて新しい着替えを履かせる ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
【虹色の白鳥】

遠い海に、虹色の白鳥がいるという
羽はとろけるようにやわらかく
飛ぶようにはつくられていない

青い夜を泳ぎつづけて
ああ、まるでひとりぽっち
そういう思いに羽が沈み ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた

 ....
冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

光をともす雨つぶのなかに 今朝はうまれた

冷たい茂みのなかで ほほえむように息絶えた

わたしは傘を差し 家を出る

はじまりがおわりに ....
鉛を擦った袖が
すっと高い
青空にひらめいて

手を振りかえすと
穂波へ消えていった
あなたを
好いていたんです


あなたの骨の中には
あの青い光が詰まっていて
きらきら き ....
秋になったから
蝉はいないんだよ

でもお父さん
じゃあ蝉はどこにいっちゃったの

突然青く染まった向日葵

わたしは季節をまたいでまで生きるのかしら

狂うくらい
狂うくらい
 ....
ぬっとり湿った夜の膜を
そっとふたつの指で広げれば
胸を裂くような光のしたを
あたたかさ、なさけなさの影が歩いていた

カーブミラーの歪みのなかの
少しだけ正しい領域を
裸足で歩くわたし ....
桃をおろし金に擦りつけ
埃をかぶって臭うストローを水で洗った
プラコップの水面は穏やか
遠い南国の、夏の海の、奥の奥

レンジから元気のない食パンを取り出して
固いバターをスプーンで擦り落 ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど

音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた

先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている

川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる

車椅子に花を差し入れる

目を細めてファインダーを覗 ....
あの踊場へ落っこちた心

禁酒を破った頭、くらくらして
窓からぐっと手を伸ばす
亀虫の死骸が畳に転がった

白いのに暗い部屋
生乾きのパジャマの臭い
花瓶に生けたおとうさん、おかあさん ....
檸檬のまわりを、笑い声が歩いている

ちいさいね。
そして可愛らしいね。
酸っぱくて。
わたしあの子好きよ。
くすくす、くすくす

天鵞絨の大地の真ん中に
オーデコロンの風に晒されて ....
花のブロウチを舐めてみた
ああこんな味か。とふに落ちて
疑問の芽がひとつ摘まれたので
多少こころよく布団へ帰る



体が眠ってしまわれたので
わたしは心と遊んでいる
鼻ですら ....
若芽をもいだ。青々しい痛みがまぶたを腫らす。

タールのようにぬめりとしたこの影も
洗いながすだろか。初夏のはらわたを破れば
透明な血があふれて、みな しらずしらず濡れてしまう。

罪と罪 ....
シチリア陶器のにおいが
肺にひやりと触れて
食卓に佇むかすみ草は
ほろほろと崩れだす

心を涼しげにもち
からりと笑え。

重たい熱風に転ばされた
ちいさな天使
痛くとも泣くな。
 ....
(星が過多に絡まる布を
ずっ、と引き摺って歩く)

祭りに群がる
こどもらの声

茹だり茹だる旋律の
真中で がぼがぼ溺れている

(乳の道をたどり
誰かが母に辿り着く)

私 ....
パリィン。

斬りつけるような輝き

立体に組みたてることを
途中で飽きられ
かたちにならなかった僕らの
最後の復讐

(また皿が割れた。
お母さん、お母さん。
僕 お母さんを愛 ....
ましろい花瓶に
水を汲む

生けるものに迷って
水を打ちあけた


羽衣のようなカーテンが
風にゆられている

こがねの光さす庭で
背の低い花がわらっていた
天使の影をみたくて
窓べりに腰かけて朝をまつ

鳥の囀りと 衣擦れが
うるさくて天使は来られない

震えるからだをかためても
鳥は鳴く

こらえきれず風も漏れはじめた



 ....
ふらりと月が立ち昇る

しっとり濡れたベンチに
横たわり
息をひそめる

今 遠くで
かたちを成しはじめた月
もっと高くへ昇れよ

つめたい窪みに
春の海を注ぐように
骨の隙間 ....
Lucyさんの印あかりさんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ギター_!- 印あかり自由詩720-9-13
6月の日記- 印あかり自由詩9*20-7-1
悲しみの中に- 印あかり自由詩12*19-8-24
障害者支援施設に勤めて- 印あかり自由詩11+*19-8-23
とうもろこし- 印あかり自由詩819-8-10
虹色の白鳥- 印あかり自由詩16*19-6-7
虐待- 印あかり自由詩11*19-3-12
繰りかえし- 印あかり自由詩1218-7-4
- 印あかり自由詩12*17-11-16
_- 印あかり自由詩1017-9-19
犯す- 印あかり自由詩20+*17-5-25
いただきます- 印あかり自由詩14*17-4-4
18回目の春- 印あかり自由詩21+*17-3-9
雨上がりの庭- 印あかり自由詩18*16-12-17
いのちの踊場- 印あかり自由詩516-10-26
檸檬- 印あかり自由詩4*16-9-13
眠れない夜たちへ- 印あかり自由詩4*16-7-4
犯罪によせて、みっつの詩- 印あかり自由詩3*16-5-19
かろい夏をわらう- 印あかり自由詩5*16-4-29
カンパネルラ。- 印あかり自由詩4*16-4-24
いっとうの流れ星- 印あかり自由詩3*16-4-22
白んだ部屋のなかで- 印あかり自由詩4*16-4-21
神聖- 印あかり自由詩8*16-4-21
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