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果樹よ
みはたわわか
きょうわたしは帰る
だれもいない故郷
だれも食べることない実が
熟れて落ちて土に帰るなら
わたしも帰る
静かな庭に
沈みおちる
音もなく
過ぎる
....
緑の勢力図は
放り投げた紙くずにさえ
影響される
その草いろをゆらめかせる
ゆらめき
のなかにまたたく花々
広大な領域を
おしやられ、おし広げるのを
わたしが傍観したように ....
あむりたを
すすめられたのを
ことわって
でもどうしても行きたかった
金をつめば
舟がだせる
すべりだした舟のうえで
ゆめごこちの
ふなべりにほおづえする
はるか長い ....
雨音のしない日々を
しのぐためにも
うたわず
おどらず
足は干されて
手はくずれて
喉はかさかさ、うちわばなしに
こすれて
こぼれる
いいつたえのとおりのひとがたの
おまも ....